「自分はできている」という思い込みが招く落とし穴

今日のテーマは、誰もが陥りやすい「自分はできている」という錯覚についてです。

人の話を聞いた時、「ああ、それなら自分はもうできている」と感じた経験はありませんか?

しかし、案外それは表面的な理解に過ぎず、実際にはできていない、ということは往々にしてあります。

「高いと思っていても実は低いのが教養」 「低いと思っていても実は高いのがプライド」

これは、自身の認識と現実が乖離していることを示唆する言葉ですが、

古代の兵法書『孫子の兵法』にも、同じような警句があります。

『孫子』九変篇より: 「智者は慮(おもんぱか)りて難を避け、愚者は軽(かろ)んじて禍に陥る」

(知恵ある者は慎重に考えて災いを避け、愚か者は軽々しく物事を判断して禍に陥る)

この一節は、まさに私たちが「分かっている」「できている」と思い込むことの危険性を教えてくれます。

本当に理解している者ほど慎重に物事を捉え、不確実性を考慮しますが、

理解が浅い者ほど根拠のない自信を持ち、安易な判断を下しがちです。

この構造を理解するために、過去の著名な企業の失敗事例を振り返ってみましょう。

① コダック(Kodak)のデジタルカメラ軽視

  • 失敗の概要: フィルムカメラで圧倒的なシェアを誇ったコダックは、世界で初めてデジタルカメラ技術を開発しました。しかし、その技術が自社の主力事業であるフィルム事業を脅かすと判断し、積極的な展開を躊躇しました。
  • 「軽んじて禍に陥る」ポイント: 自社の既存ビジネスモデルへの過信から、デジタル化という明確な環境変化の兆しを軽視・無視しました。結果として、競合他社に市場を奪われ、経営破綻へと繋がりました。
  • 『孫子』的教訓: 「愚者は軽んじて禍に陥る」。技術革新の波を「軽んじ」、自ら変革の先手を打たなかったことが致命的な誤りでした。

② ノキア(Nokia)のスマートフォン対応の遅れ

  • 失敗の概要: かつて携帯電話市場で世界No.1のシェアを誇ったノキアは、スマートフォンの台頭(特にiPhoneの登場)に対する備えが遅れました。OSやユーザーエクスペリエンス(UX)の革新も進まず、結果として急速に市場シェアを失いました。
  • 「慮らずに危機を招く」ポイント: スマートフォンという新たな潮流と競合の動きを軽視し、「自社の従来型携帯電話でまだ優位性を保てる」という過信がありました。
  • 『孫子』的教訓: 「智者は慮りて難を避け」。未来の市場変化を慎重に予測し、柔軟に対応する姿勢を欠いたことが、危機を回避できなかった要因です。

③ 日本の電機メーカーによるテレビ事業への固執(例:シャープ、東芝)

  • 失敗の概要: 液晶テレビで一時的な成功を収めた日本の電機メーカーでしたが、韓国・台湾メーカーなどの価格競争力を過小評価し、構造改革が遅れました。その結果、巨額の赤字を計上する事態となりました。
  • 「市場環境の激変を軽視」ポイント: 「品質が良ければ必ず勝てる」「日本ブランドは依然として強い」といった根拠のない過信が、迅速な意思決定と戦略転換を遅らせました。
  • 『孫子』的教訓: 「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」。競合である海外メーカーの強み(価格競争力)と、自社の弱点(高コスト構造)を冷静かつ客観的に把握できていませんでした。

これらの事例は、私たちが「自分はできている」と思い込んだ瞬間に、

足元を掬われる危険性を示唆しています。

真に成長し続けるためには、常に謙虚な姿勢で学び続け、自身の認識をアップデートしていく必要がありますね。

「May you find yourself on cloud nine today, filled with happiness and joy」

ブログを通じて、これからも色々な思考や情報を共有していきたいと思います。
皆さんもぜひ、日々の生活の中で多角的な視点を持つことの大切さを感じ取っていただけたら幸いです

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